セミナー 「有限要素法の基礎」のご案内
2025.4月
有限要素法の原理からプログラム作成まで基礎的な事項を詳細に丁寧に記述しました。有限要素法の定式化には主にリッツの方法(変分法)によるものとガラーキン法によるものの2つがあります。この2つは一般には一致しません。一致するのは領域積分の部分で,境界条件がディリクレ型境界条件または自然境界条件(勾配=0)のときのみ一致します。一般のノイマン型境界条件(勾配≠0)はガラーキン法では自然に取り込むことができますが,リッツの方法(変分法)では汎関数に境界条件に合わせた境界積分項を加える必要があり,これによって2つの方法による定式化が一致します。
ガラーキン法がより一般的な定式化ですが,有限要素法の原理を理解するには,汎関数,変分問題,オイラー方程式,リッツの方法という背景を示してから,有限要素法の特徴である区分的試行関数(いわゆるテント関数)を使った定式化に進むのがわかり易く,また歴史的経緯にも沿っていると思えるので, まず1次元の場合で詳細に説明した後に,2次元ラプラス(ポアソン)方程式を例にとってリッツの方法による定式化を説明しています。また,付録のプログラムの説明も合わせて行いましたので,形状関数,要素内積分,アイソパラメトリック要素,ガウス積分という実際のプログラム作成に必要な基本事項も詳細に記述しています。
その次にガラーキン法について説明しています。リッツの方法による定式化は変分問題の汎関数が存在するときのみ可能ですが,重み付き残差法に基づくガラーキン法では汎関数が存在しない場合でも微分方程式が与えられれば定式化可能で,また境界条件の設定が容易です。リッツの方法(変分法)との違いも示しています。
3角形座標(面積座標),弾性体の変形や流れや熱伝導の問題などについても簡単な説明を付録に載せました。
本セミナーテキストでは解析事例は挙げていません。有限要素法の原理の理解と実際のプログラム作成のためのテキストです。メッシュ分割やソルバープログラムを使ったことがあって有限要素法について何となく知っているという方や,その理論を大体は知っているがもう少し詳細を知りたいという方にも興味を持って頂ければ幸いです。
テキスト目次
Ⅰ 変分問題
【1】変分問題
【2】オイラー方程式(オイラー・ラグランジュ方程式)
【3】リッツの方法(直接法)
Ⅱ 有限要素法
【4】有限要素法の原理
【5】2次元ラプラス方程式の解法
【6】2次元要素の形状関数とアイソパラメトリック要素
【7】ガウス積分による要素内積分
【8】プログラムの作成
Ⅲ ガラーキン法による有限要素法
【9】重み付き残差法としてのガラーキン法
【10】ガラーキン法による有限要素法
付録
【付録1】懸垂線
【付録2】2階微分を含む積分汎関数のオイラー方程式
【付録3】2次元のグリーンの定理
【付録4】3角形要素・面積座標
【付録5】応力解析(2次元平面応力)
【付録6】熱伝導と流れの解析(連続の式)
【付録7】2次元ラプラス方程式の有限要素法
解析プログラム
詳細目次
主催 : KR技術研究所
開催日時 : 未定(平日18:00-20:30,
または土曜13:00-18:30)
開催場所 : 未定(横浜市 青葉公会堂,緑公会堂など)
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